FPNの記事自体の完成度も低いのだけど,いくつか誤解を招く表現があるので指摘しておく.

誤解されているのは以下の部分.

レシグ教授は,著作権においてCCライセンスと言う新しい概念を提唱されています. CCライセンスと言うのは創造者が一定の権利を留保しますが,非コマーシャルユースであれば,CCライセンスを活用してお互いがお互いの創作物を自由に活用し合おうと言う新しい著作権の活用法のことです.

http://www.future-planning.net/x/modules/news/article.php?storyid=1750

Creative Commonsライセンスは商用・非商用に限定されずに適用させることが可能です.だからこそbyby-saといったライセンスのほかにby-ncby-nc-saといった非商用利用に限定されたライセンスが存在するわけで.

CCでライセンスされた出版物ってのも少ないながらもすでにあって,たとえばNTT出版が出したクリエイティブ・コモンズ - デジタル時代の知的財産権 (ISBN:475710152X)というCCに関する本の一部は,by-nd/2.0/jpでライセンスされている.

by-ndライセンスには

あなたは以下の条件に従う場合に限り,自由に

  • 本作品を複製,頒布,展示,実演することができます.
  • 本作品を営利目的で利用することができます.

http://creativecommons.org/licenses/by-nd/2.0/jp/

とあって,営利目的での利用が許可されている.

ほかにも,Creative Commons Searchで検索すれば見つかると思う.

ともかく,CCでは非商用を明示的に選択しない限り営利目的での利用を禁止してはいないので有償配布も十分可能.ただし,複製物の再頒布を禁止しない限り,それを無償配布するのをライセンス的にはとめられないので,商用利用が成立するかどうかはという別の問題も無くは無い.


おそらくは 書き間違いだろうが,よくよく読み返すとこの記事は結論がおかしい.

中盤でRead Only な文化は著作物の利用に “” 大幅な制限がある古い文化 “” 云々といっておきながら最終段落で

RO(Read Only)文化とは著作権の部分放棄です.この新しいパラダイムに日本のエンターテインメント業界が馴染むのは何時のことでしょうか???

http://www.future-planning.net/x/modules/news/article.php?storyid=1750

と正反対のことを言っているのはどういう事だろうか.

ほかにも Lessigを “” レシグ “” としていたり(一般的には レッシグ),IpodとかIPodとかIPODとか表記がゆれてたりしていて,少しは読み返したらどうよといいたくもなる.