Quick uRL(QRL)”)という長いURLを短く(圧縮)すると言うニッチなサービスがある.
要は,長いURLをキーとしてハッシュ表を作って,その表を元に転送させるということのようだ.
彼らがFAQでも言ってるように, 地図やブログ・通販サイトのURLを友達に送
るときや, 携帯電話にWebサイトのURLを送信
するときに,短いURLの利点は多い.
他の転送サービスと同じく,転送先が参照可能かどうかの保証がないという危険性があるものの,一時的な利用に限れば便利そうである.
しかし,FAQに気になる記述がある.それはQ:使用にあたり制限事項はありますか?
と言う部分である.注1
Q:使用にあたり制限事項はありますか? A:ご利用の規約に記載していますが,以下のようなケースではURL圧縮をお断りしたり,圧縮されたURLを削除させていただく場合がありますのでご了承下さい. - ** 元のホームページがリンクを許可していない.→著作権違反** - 公序良俗に反したホームページをURL圧縮した.→アダルトサイトや肖像権侵害など - 日本国の法律に反した情報を掲載しているホームページをURL圧縮した→詐欺やねずみ講など - 元のホームページから削除依頼があった.→サイトオーナー様のご意向 - その他,当社の判断で不適切と判断した場合. qrl.jpのFAQ Q:使用にあたり制限事項はありますか?より [http://qrl.jp/faq.html](http://qrl.jp/faq.html)
強調は私による.なお,引用元はtableでマークアップされていたが引用に際しpとolに変更.
2番から5番の条件は妥当な条件と言えるが,1番の条件には疑問がある.リンクすること自体は著作権法上問題ないと言われている注2のに,彼らはいったい何を根拠にこのような条件を設定しているのだろうか.
qrl.jpのサービス提供者が,「リンク禁止を謳うサイトにはリンクしません.」というポリシーを掲げるのは彼らの自由であって,何の問題も無い.だが,その根拠として著作権法違反を持ち出すのは間違いである.4番目の条件のように「サイトオーナー様のご意向”” を尊重します.」とでもするべきだ.
また,現実的な問題として,QRL化されたURLがリンク禁止を謳っているかどうかをどうやって確かめるつもりだろうか.そのサイトを注意深く全部見てまわって「リンクポリシー」や,「リンクに関して」などのリソースが有ればいいが(有ろうと無かろうと著作権法的には問題ないが),無かった場合どう判断するのだろうか.
便利そうなサービスなのに,こういう条件付けをして自分で自分の首を絞めるのはいかがなものだろうか.
- http://ashula.info/images/mt/qrljp_faq_20040723.png ref_law
- 国会会議録検索 参議院会議録情報 第140回国会 文教委員会 第12号の林久美子君の発言030番辺り,あるいは参議院会議録情報 第140回国会 文教委員会 第12号の中ごろの林久美子君と政府委員とのやり取り.両方とも同じ議事録を参照してます.
- Q. 無断でリンクを張ることは著作権侵害となるでしょうか.(社団法人 著作権情報センター)”)
後日談
200/12/15に見に行ったらFAQから著作権云々の記述がなくなっていた.いつの間にか修正されたようだ.