先週末のF1は佐藤の3位入賞に沸いていたがhotwiredにF1関連の気になる記事を発見.車の「交配」で究極のF1カーを作るプロジェクト

ある種の状態を「遺伝子」として表し,その遺伝子の「環境適合度」を評価関数によって決定し,一定の条件を満たすものを残し,満たさなかった遺伝子は淘汰され,さらに,残ったものから,「交配」を行って次の世代の遺伝子をつくり,というのを繰り返し最適解をえようというのが遺伝的アルゴリズム(genetic algorithm)の基本的な概念.

記事の研究では,レースのいろいろな設定(サスペンション,エンジン性能,タイヤやブレーキの圧力,燃料消費,ステアリング操作に関する項目),68項目を遺伝子とし,あるコースでのレースの成績を適合度として行われたようだが,この研究が最高の車を作り出したとしても,それが最高の結果を生むとは限らない.

実際のレースでチェッカーフラッグを受けるには,22台の車がコース上にあるゆえの制限,タイヤ交換,燃料補給,などのピットストップによる影響,ドライバーの心理状態,など予測不能で数値化できない要因が複雑に絡んでいるからである.

つまり,車体だけ最高のもの設計できても,つくるのも人間,整備するのも人間,使うのも人間とくれば,計算機上のシミュレーションは,シミュレーション以上にも以下にもならず,参考程度にしかならないだろう.

と,批判めいたことを書いてみたが,この手の研究で食べていきたい身としては,きちんと論文も読んどいた方がいいのだろうなぁ